2024年6月

「横浜国際プール再整備事業計画(素案)に対する市民意見募集が始まりました。」

川崎市との市境、北山田にある横浜国際プールは、都筑区内で最大の公共インフラです。
横浜ベイスターズが優勝した1998年に横浜国際競技場(日産スタジアム)と共に当時283億円をかけて建設されました。

50mのメインプール、サブプールや駐車場、会議室などを維持運営するのに、横浜市から指定管理者に年間約5億円が支払われ(令和5年)、また、夏はプール、秋からはプロバスケをはじめとする室内アリーナへの転換で年間5000万円が毎年かかっています。

建設から25年以上が経過し、施設の老朽化によりプール設備や空調設備等の大規模な設備更新が必要なタイミングを迎えているほか、利用者の安全性確保のためメインアリーナの特定天井脱落対策工事の実施が必要になり、2年前から議会でも議論が始まりました。

横浜市からは、今回、メインプールの通年フロア化が示されました。詳細は横浜市ウェブサイトでご覧いただきたいのですが、この案に対する市民意見募集が7月31日まで行われます。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kanko-bunka/sports/shinko/saiseibi/pool/ikenboshu.html

実際に泳いでいる皆さんにとってみれば、サブプールの観客席などは増えるものの、大事なメインプールがなくなってしまう話で、水泳関係者にとっては自治体の財政難で全国的に公営プールが廃止になっている今、まさに死活問題だと思います。

一方、室内競技の皆さんからしてみると、通年フロア化になれば、テニス、バドミントン、バレー、バスケ、ハンドボール、空手、新体操などの大会が開催できるチャンスが広がります。特に国際プールをホームとするプロバスケットボールの横浜ビーコルセアーズにとってみれば、改修すれば1試合あたり5000人の観客をさらに伸ばせることにつながります。

是非忌憚なきご意見をいただきたいと思います。

ここで、じゃあ僕はどう考えているかを、お話ししたいと思います。

まず、横浜国際プールは、国際大会開催のニーズと見合う設備がそもそもないのではないかと思っています。

横浜国際プールは、オリンピック誘致も視野に水泳の国際大会の開催を想定して建設されましたが、2006年以降、国内で開催された水泳競技国際大会 24 回のうち、横浜国際プールでの開催は2回に留まっています。

地元都筑区選出議員として、2013年に東京オリンピック開催が決まってから、どうにか横浜国際プールにオリンピック種目を誘致できないか様々動いてきました。

当時の横浜市市民局は勿論、オリンピックを担当する国会議員や都議会議員にもしつこく働きかけをしましたが、結局のところ、当時の段階でも施設面で課題があるということで、結局はイギリス代表チームの合宿のみの活用になりました。

バリアフリーではない、電光掲示板も機能が低い、シャワーも壊れている、VIP客席も足りない、そもそも東京からのアクセス(車両移動)も長い、ネット環境も悪い、など、様々な課題を指摘されました。

国内水泳界からはそもそも無理という反応でしたし、水球の皆さんは感触良かったのですが、結局は誘致できませんでした。一市議という僕の圧倒的な力不足はありますが、本気で国際プールにオリンピック競技を持ってこようとしている関係者が他にいなかった(少なくとも僕は出会わなかった)ことが、何より残念でした。

横浜国際プールはもはや「国際プール」ではないと思います。

一方、市内18区、377万人の人口を抱える横浜市に、公営の屋内50メートルプールが市境の北山田にしかないこと自体が問題だとも考えています。

僕は泳がないので分からないのですが、東京オリンピックで各国の大使館から事前合宿の多くのオーダーを頂いたのが「横浜市に屋内の50メートルプールはないか?」ということでした。

水泳競技者にとっては、25mではなく50mプールが必要とのことでした。これは大会開催でもそうらしいのですが、25mプールでは小中学生の大会も厳しいそうです。横浜市水泳連盟の方々と国際プールの問題について話した時も指摘させていただきましたが、僕も含め、競技者ではない人にとっては、50mプールの必要性はなかなか分かりません。

今回の横浜国際プールの在り方検討についての僕としての考えは、

  1. 前提として、横浜市にはスポーツインフラが足りない。プールを廃止して室内競技へという議論より、水泳施設も室内競技施設も足りないという認識が必要。
  2. 国際大会を開催しない(できない)市営プールに4000席の観客席を含め、年間6億円かけて国際規格の施設を維持するのは無理がある。
  3. メインプールは今の容量が必要な室内競技アリーナに一本化するべきで、やるなら徹底してやるべき。
  4. 市民大会開催の為の50mサブプールの観客席や機能の拡充は大前提として、今の横浜国際プールをダウンサイジングした市民向けの屋内50mプールを、北山田のような市境ではなく、多くの市民が利用できる地域に配置するべき。

下記に挙げるように、2年前に横浜市会ではこの問題を僕が初めて取り上げました。今、ネットでは水泳関係の方々から思いっきり叩かれていますが、これから国政を目指す中で、今回の議論を通じ、僕は本当にこれからの日本の水泳環境に危機感を持っています。

お前が言うなと言われるかもしれませんが、プールの運営を自治体任せにしていくかぎり、横浜国際プールのような問題は全国で起こりますし、実際に全国でも公営プール存続が議論になっています。学校プール、公園プールの廃止の波です。

僕がやっていたアメフトと異なることは、個人で必要なもの含め、競技のハードルは低いですが、施設面ではとてもお金がかかります。アメフトやラグビーは横浜市から施設運営で年間6億円も出ていません。

特に人口減の地方では、自治体公営プールはどんどん減少していくでしょう。

今、水泳界に必要なことは、異なる意見を持つ地方の政治家を叩くことではなく、国として水泳をどう守るか、泳がない方々にも理解いただきながら取り組んでいかなければならないと思います。

横浜国際プールにしても、このままで大改修して、市民利用プールだけで存続していくには無理があります。
是非、市民意見募集に様々なご意見をいただきたいと思います。


令和4年3月 横浜市会予算特別委員会(市民局審査)

◆草間委員
次に、横浜国際プールの今後の在り方について伺います。
先日、包括外部監査の報告書が届きました。今年度のテーマは指定管理者制度ということで、私の地元都筑区にある横浜国際プールも対象となっていました。その中で、国際プールのメインプールの在り方について意見が述べられていました。施設開所当初、横浜オリンピックを誘致するみたいなお話もあったと思います。当時の先輩方の御努力ですね。また、国際大会誘致を目指し国際規格を満たす施設として整備されたと聞いておりますけれども、そこで、横浜国際プールにおける国際大会の実施状況についてスポーツ振興部長に伺います。

◎熊坂スポーツ振興部長
横浜国際プールでは、平成14年にパンパシフィック水泳選手権大会をはじめ、平成10年の開館以来4つの国際大会を開催してきております。

◆草間委員
私は議員になって10年ぐらいですけれども、この5年間ぐらいで何か国際大会はやられましたか。

◎熊坂スポーツ振興部長
直近4つのうち一番新しいものがFINAの水球でございます。ワールドリーグインターコンチネンタルトーナメント、これが平成28年に実施したものでございます。

◆草間委員
私はたしかその大会に伺わせていただいて、水球は日本体育大学が強いのです。オリンピックの関係でも水球を誘致できるかと思ったのですけれども、東京に新しいものができたし、日体大で全部充足するから大丈夫だみたいな話で、水球のオリンピック競技もなかなか横浜に誘致できなかったという経緯もあると思うのですけれども、西山室長、国際大会が開催されない理由、これをどう分析されていますでしょうか。

◎西山スポーツ統括室長
横浜国際プールということでよろしいでしょうか。今委員おっしゃってくださったように、東京オリンピックが決定しまして、東京のほうで幾つかのプールができたので、そちらのほうに持っていったということがございます。それと、横浜国際プールができてから何年もたっていまして、タッチ板ですとか電光掲示板ですとか、これが今の基準にちょっと満たないというか古いもののままになっているので、利用される世界水泳連盟、日本水泳連盟の皆さんからもちょっと使い勝手が悪いというようなことで敬遠されているということがあろうかと思います。

◆草間委員
ありがとうございます。ここでスライドを見ていただきたいのですけれども、(資料を表示)恐らく議員の皆さんも横浜国際プールのメインプールを見ていない方がいっぱいいらっしゃると思います。これはメインプールではないです。これはサブプールです。サブプールとメインプールがあって、これはサブプールなのですけれども、どちらも50メートル規格となっております。こちらのメインプールは10コースで4000席の観客席で、こちらのサブプールは50メートルが8コースで、400席の観客席も擁しております。メインプールは夏のみの使用となっておりまして、こういうふうに、先ほど横浜エクセレンスの話がありましたけれども、横浜ビー・コルセアーズの試合で使われております。両プールとも、大会はもちろん、市民等による個人の利用も多くあります。ここで市民利用という観点は非常に重要だと思うのですけれども、税金で造られていますから、使える期間の差はありますが、ここで平均を取って、メインプールとこのサブプール、どちらがプールとして個人利用が多い認識でしょうか。

◎熊坂スポーツ振興部長
個人の利用による利用者数ですけれども、メインプールが5か月間の中で約3万8000人、サブプールが1年間で約19万人となっております。月平均にしますと、メインプールが約8000人、サブプールが約1万6000人となっています。

◆草間委員
サブプールのほうがよく市民には使われているということなのです。このメインプールですけれども、夏はプール、冬はスポーツフロアとして利用されておりました。先ほどの監査によりますと、これは床を閉じているのです。この床転換にも毎年2か月かかっているとの指摘がございました。
そこで、床転換にかかる費用と日数について、これもスポーツ振興部長に伺います。

◎熊坂スポーツ振興部長
床転換にかかる費用と日数でございますが、4月に行う床からプールへの転換でございますが、経費としまして約2900万円、日数として29日間を要しております。また、10月に行うプールから床への転換では、費用として約2200万円、日数として24日間用要しております。

◆草間委員
1年間で約5000万円、この床転換でかかっている。要するに、直すほうと戻すほうでかかっているということだと思うのですけれども、財政ビジョンでは施設規模の効率化との考えも示されておりまして、本当に毎年床転換をする必要があるのかということだと思います。築20年が経過し、施設が老朽化する中、規模効率化とともに今後の在り方を検討すべきだと考えます。
そこで、財政状況を踏まえて横浜国際プールの在り方を検討していくべきと考えますけれども、局長の見解を伺います。

◎石内市民局長
横浜国際プールにつきましては、先ほど草間委員から御指摘いただいたように、包括外部監査で幾つか御指摘事項をいただいています。その中で、利用方法の一本化を含む運営の最適化、それから施設の老朽化に対する適切な維持保全、これらの観点を踏まえて、市民の皆様にとって利用者の皆様にとって最適な施設の在り方は何なのか検討を進めてまいりたいと考えております。

◆草間委員
今後、横浜国際プールでは特定天井脱落対策工事もあると伺っておりまして、また、省エネ事業のESCO事業の導入などもあり、施設の仕様や在り方について見直すいいチャンスだと考えております。私個人はサブプールのさらなる活用、市民の皆さんも使っていますから、さらなる活用と客席の整備などを進めて、メインプールはネーミングライツ等を活用しながら一本化していくべきだと思っております。時期を捉えて、限られた財源の中で国際プールの在り方検討をしっかり進めていただくことを要望して、次の質問に移ります。

衆議院議員
神奈川19区(川崎市宮前区・横浜市都筑区)

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