2012年8月

「グローバル経済を韓国に学べ!【逆説ですよ】」

イメージとして、韓国はアジアのグローバル経済のリーダーとしての姿があると思います。

僕も愛読している日経新聞では特に韓国特集が組まれ、『日本企業は韓国に学べ (日経ビジネス)』『FTAで先行する韓国に学べ! (日経ビジネス)』と、グローバル化の中で先進をいく韓国に倣えという論調も高く、政党でも、みんなの党や維新の会などはTPPに大賛成ですし、「開国」「自由化」というのは、開国の地・横浜にしてみてもさすが聞こえがいいんです。

FTA(関税の撤廃など、通商の障壁を取り除く自由貿易協定)。
これをアジアの先進国の中でぶっ飛ばして進めているのが韓国で、アメリカとは李明博大統領が進め、議会での法案審議に入り、中国とのFTAも積極的に議論され、昨年にはEUとの協定が発行し、これらの国に対する韓国製品の価格競争力には日本は絶対に勝てない状況になっているのは事実です。

さぞかし、韓国企業はもうかって、国民の暮らしも向上しているのかと思い、韓国に行ってみたのですが、それが、全くよくなっていなかったんです。

1、賃金の低さと格差、なのに物価は高い(スタグフレーション)

今回の訪問では、従業員1000人以上の建設大手の副社長、日本と貿易している素材商社の代表、僕と同年齢のビジネスエリート(留学組)とお話をしました。どうやら賃金はどんどん低くなっていますし、格差も広がっています。

例えば、この建設大手の新人年収は178万円で、非正規職員の時給は約700円。「これで普通」と話していましたが、財閥系の現代自動車の新人平均年収は395万円。平均給与は630万円。同じく財閥系のサムソン電子の役員報酬は約8億円。

三橋貴明氏の著書によれば、韓国の上位1%の所得は全体の16%を占めており(日本は9%、OECD諸国の平均も9%)、財閥系企業とそうでない企業との格差はどんどん広まっています。

賃金もどんどん下がっているようですが、それに比べて物価は下がらず、ガソリンも日本と同じようにリッター140円。レストランの食事代も平均して下がっていません。

原因は、グローバル化の恩恵をすべて財閥系の会社で占めてしまっていることがあります。だからと言って、法人税は日本より10%以上低いので、ほとんど財閥系企業は税金払っていませんし、それでいて、政府にお金がないので、公共事業はやらないし、社会保障にもお金使えないし、でも消費税は日本ですっごい議論になる前から10%。

つまり韓国は企業に優しく、国民に冷たい国になってしまっています。IMFの管理後は、経済を活性化するために国をドンドン開き、まさに「富める者から富め!」という政策をうつしかなかったのかもしれませんが、結果が今の状況です。グローバル化の恩恵が国民に全く返ってきていません。

これは日本が選択してはいけない道です。

2.就職率の低さ・ニートの増大・失業率の高さ

もっとやばいと感じたのが、大卒の就職率の低さです。

韓国文科省の調査では2011年6月時点での4年生大卒者の就職率は58.6%(非正規含む)。地方大学の場合、就職率が20%未満のところもあったそうです。

韓国の場合、8割が大学進学しますので、大学卒業者の就職率は、その年代の就職率とほぼ同じです。正規職には30%くらいしかつけないという調査もあります。

それに比例してニートは増大し、なんと100万人を超えました。2003年に75万人でしたので、9年間で25万人増えています。日本のニート数は60万人と言われていますので、人口と比較した多さは半端ありません。

韓国は徴兵制度があり、それでなくても就職の時期は遅れますので、30代で正規採用されない人がいっぱいいる状況です。

韓国においては、僕らと同世代の半分以上は正規として就職ができず、ニートもどんどん増えています。

受験大国の韓国で勉強しまくって大学に行った結果、就職できずにパラサイト。一方、財閥系に入った1%は超エリート化し所得の差が拡大しています。

しかもここにきて、2000年代初めは70%台にとどまっていた貿易依存度が昨年は113.2%と過去最高を記録し、もはや色んな意味でグローバル化を止めることはできません。

そのグローバル化に打ち勝つために、非正規系の仕事にはアジア各国から多くの外国人が入ってきます。正規の職に就けない韓国人が非正規にも就けなくなる、負のスパイラルが始まります。

竹島に対して叫ぶ韓国の若者たちが報道されますが、考えてみてください、平日の昼間のデモですよ。就職できない若者がこれだけ増えれば、デモにでも参加するでしょう。

中国では国内問題を対日に向かわせ国体を維持していますが、まさに韓国の若者社会も同じようにどんどん右傾化していきます。

グローバル化で、韓国は幸せになりましたか???今のところ、答えは明らかにNOです。

韓国の仁川や釜山に視察にいくと、その発展ぶりに「日本は負けてる!追いつかなければ!!」と思う議員も多いのですが、群れるビル群に住んでいる国民経済の実態はどうか、僕らは経済人ではなく政治家なので、そこに目を向けなければいけません。

韓国はおそらくアメリカとのFTAにドンドン突き進むでしょう。格差が広がる中で、韓国のいきつく先は革命かもしれません。

僕らは、しっかりそれを学ばせてもらい。だからといって外国に進出する日本企業を阻害するのではなく、まずは足元から固めるのが大切だと思いました。

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