2012年4月

「広域処理・横浜は大船渡の『保険』」

先月23日に野田総理と環境省から、大船渡市・陸前高田市の災害廃棄物のうち、木くず12万トンの広域処理の依頼が神奈川県と横浜市に来たわけですが、広域処理に対するブログ「横浜市は現地に焼却場を立てよ!」や議会発言で最近になって、とてもお叱りやご意見をいただく、くさまですが

昨年とは被災地の事情も違うと思い、また、大船渡・陸前高田は行ったことがなかったので、岩手県知事選にまで出た高橋博之さんと行ってきました。

大船渡市が3月26日現在で抱えるがれき推計量は75万6000トン。
そのうち既に25万トン、33,4%の処理が現地で済んでいました。

がれきを選別する一次選別場所・二次選別場所では、ひっきりなしに、岩手ナンバーのトラックと男たちが動き回っています。一次選別場所では全社が大船渡・岩手の企業、二次選別場所では大手のノウハウ提供以外で動いているのは全部地元企業。

がれき処理、今でも思いっきり現地の雇用になっています。河野太郎先生の指摘は正しかったです。

「震災前傾いていた地元企業が何社も生き返った」大船渡で現地処理が進んでいる背景には、大船渡には、太平洋セメントの大船渡工場があるからです

木片・家具・紙類などの「可燃性混合物」というがれきは、1日約300トン出ますが、全部セメント工場で処理され、1日5トンにもなるタイヤや角柱もセメント工場で処理されます。

また、コンクリートやアスファルトなどの「不燃性混合物」というがれきは1日約600トン選別されますが、これはすべて復興資材として市内で利用されます。

神奈川県・横浜市が環境省から依頼された木くずは1日30トン選別されています。その中で今のところ、1日10トンをセメント工場の燃料として燃して、10トンを地元でボイラーの燃料 にして、残りを茨城のバイオマス工場 で燃料利用するように海上運搬する予定です。

今のところ、横浜市の出番はありません。

で、これからの市の家屋等解体予定を考えても、木くずはそれほど出ないようですので、大船渡からしてみれば「もしもお願いするときはよろしくお願いします」というレベルです。

また、岩手県内にも、木くずを再処理して県内で活用したいと考えている企業もあり、大船渡だけの話で言えば、横浜市は万が一のときの「保険」のような存在です

一連のがれき処理費用は全額国費。いわば、僕らの税金で大船渡のがれき処理を進めていますので、がれきを受け入れることだけが、僕ら横浜ができる復興支援とは言えません。
セメント工場に何らかの支障があって、地元で処理できなくなったら、その時は快く横浜で処理すればいいと思います。横浜の焼却灰より、放射線量は低いです。

一方、陸前高田市も岩手ナンバーのトラックが動きまわっていましたが、大船渡と異なるのは、現地で処理できるセメント工場がないこと。がれきの総量も10万トンで、進捗率も9,6%と大船渡と比較すると低いのですが

とにかく津波で街が流され、がれきしか今のところお金になるものはないので、陸前高田の今後にとって、ベストな方向を考えるのが一番だと思います

で、現地に行ったうえでも僕が一番言いたかったことは、ご意見いただいたように、がれき受け入れ反対なのが非国民であるとか、がれき受け入れが横浜の子供を殺すとか、そういったレベルで議論を進めるのではなく
何が今の段階で被災地のためになるのか、僕ら横浜ではもっと冷静に議論していく必要があるということです。

もちろん、横浜・神奈川担当ではない他の被災地域を含めた広域処理の在り方を進めるのは大切です。実際、困っている地域もあります。

ただ、「神奈川の知事は、政治生命かけて引き受けようとしてますよ」という私の言葉に、大船渡市の担当幹部は「はあ、まあ、お願いするときは是非お願いします」
現地はこういう空気です。

是非、横浜で広域処理の政策決定にかかわる皆さんは、陸前高田と大船渡に行ってみてください。内陸から遠いですし、ガソリンも値上がってますが・・・・

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