2012年12月

「笹子トンネルの事故と今年6月の議会質問」

「メンテナンス世代って古いから、言うのやめなよ」いわゆる第3極の政党の同僚議員に言われてから、数か月後の12月2日。不幸にも、9人もの死者を出した中央自動車道・笹子トンネルの天井崩落事故が起きました。

昭和52年に開通してから35年。計画的にメンテナンスをしていれば防げる事故だったと思いますが、その「メンテナンス」に対しては、笹子だけでなく、横浜でも、全国的にも十分な予算はつきません。何か新しく作るわけでもなく、維持・更新ですので、パッと見た目は分かりませんし、市民にも訴えにくいし、何より地味な政策課題なので、確実に優先順位は低くなっていました。

メンテナンスは僕らの世代にとって、もっと真正面から向き合わなければいけない、無視できない、そして逃げられない大きな課題です。そこで、笹子トンネル事故が起きる前の6月、自民を代表しての本会議質問で、「メンテナンス世代」として市長に訴えました。


◆(草間委員)

僕らの世代にとって、社会資本の大規模なメンテナンスの時代を迎えることは大きな関心事です。僕らの世代は、個人的にはメンテナンスの世代だと考えています。

過去につくられた社会資本によって今の僕らの生活があるのですから当たり前のことだと思いますけれども、横浜市の公共施設は高度経済成長の人口急増期に集中して整備してきたため、大部分が時を同じくして老朽化の問題を抱えています。

市の調査によれば、下水道、道路、水道、学校、橋梁などに対するメンテナンス費は今後20年間で約3兆円かかります。

ただ、1980年のアメリカがメンテナンスを十分しなかったため荒廃するアメリカと言われたことは、大変な教訓だと思います。この教訓を生かして、横浜でもこれからの社会状況に合わせ選択と集中をしながらもきちんとした対策を推進することが必要だと思いますけれども、多くの自治体にとって、この大規模メンテナンスは財政的な危機を招くと解釈され、メンテナンスという保全の概念が政策的にも財政的にも後回しになっている傾向があると思いますが、僕はここを逆にチャンスととらえなければいけないと思います。

そこで、既存公共施設の維持保全を適切に行うことについて、市長のお考えを伺います。

また、メンテナンス対象物の約25%を占める公共建築物を例にとってみると、建築後30年を経過しているものが全体の5割を超えている状況であると聞いています。これらメンテナンスの取り組みを限られた財源の中で着実に対応していくためには、公共建築物を維持、運営するためのトータルコストも示しながら、行政だけでなく市民にも公共建築物の将来について一緒に考えていただく必要があると思います。

そこで、仮称公共建築物マネジメント白書を作成するねらいと主な内容について、改めて伺います。

昨年、僕は水道局が主催する、はまピョンカップという第9回水道局業務改善推進大会を見学させていただきましたけれども、そこで目からうろこが落ちました。

見事グランプリを受賞したのは、市内に約5万6000基ある全消火栓の調査、修繕の実施に際して、補修弁の製造メーカーと水道局の技術職員が共同して開発した新たな保全金具を利用することで断水することなく消火栓の簡易な補修を可能とする提案でした。

何とこの工夫により1カ所当たりの工事費は従来の工法と比較して約6万8000円縮減でき、これを5万6000基に応用したらすごい数字になっていきます。

大メンテナンス時代を迎えるに当たっては、ただその波に飲まれるだけではなくて、まさにこうしたガテン系職員の持つ技術力やノウハウを積極的に生かすことが大切で(笑声)、ピンチをチャンスに変えるために、今まさに横浜の技術力が問われていると思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)

本市では職員技術提案制度があり、市長が表彰を行っていると聞いておりますけれども、職員技術提案のねらいと平成23年度の提案の概要についてお伺いします。

また、表彰されたものの中には、公共施設の維持保全などメンテナンスに関する提案も多くあるように見受けられますけれども、職員技術提案による公共施設の維持保全に関する成果について伺います。

僕は、20年間で3兆円というメンテナンスの試算はオール横浜の技術力と提案力で臨めばまだまだ減っていくものだと確信しています。長年、自動車業界で世界に誇る日本の技術力を見続けてきた市長ですので、ぜひ横浜の技術屋の能力を最大化して、ピンチをチャンスにしていただきたいと思います。(「いいぞ」と呼ぶ者あり)

◆林市長

公共施設の大規模メンテナンスについて御質問いただきました。

既存公共施設の維持保全を適切に行うことについての見解ですが、市民生活の安全、安心を確保する上では、公共施設を適切に維持保全することが重要であると考えています。そのため本市では、これまでも限られた財源の中で公共施設の長寿命化や維持保全に取り組んできました。厳しい財政状況ではありますが、今後とも適切な優先順位づけに基づく計画的な維持保全の取り組みを進めていきます。

仮称ではありますが、公共建築物マネジメント白書を作成するねらいと主な内容についてですが、本市では非常に多くの公共建築物を保有しているため、今後の保全や更新に係る財政負担が課題となっています。白書の作成は、市民の皆様とこうした課題を共有し、将来にわたって必要とされるサービスを続けられる公共建築物のあり方の検討につなげていくことをそのねらいとしております。そのため白書では、市民利用施設などの配置、規模、利用状況に加え、大規模修繕や管理、運営に関するトータルコストなどの実態を示し、市民の皆様に意見を伺っていきます。

職員技術提案のねらいですが、本市が実施する事業に関して、コスト縮減や品質の向上などにつながる技術的な提案を行った本市職員を表彰することにより、事業の改善及び職員の技術力向上などを図るものです。

平成23年度の提案は27件ありました。そのうち17件は公共施設の維持保全に関する提案でした。維持保全に関する提案が多いことは、公共施設の現場管理に係わる職員が創意工夫等による技術的な改善に日々取り組んでいることを反映しているものだと感じています。なお、受賞した職員全員には私から直接表彰を行い、今後も技術力を生かして業務に取り組んでもらうよう激励しました。

草間議員がおっしゃったようにコスト削減につながっていくものと思います。

その成果についてですが、平成23年度の提案には下水道や焼却工場などの各分野で創意工夫に富んださまざまな技術的な提案があり、職員の技術力の向上とともに、コストの縮減、作業時間の短縮、施工性の向上などにつながっております。これらの成果に加えて、職場の活性化や職員満足度の向上、さらには市民の皆様の満足度の向上にもつながると考えております。

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